小笠原の思い出 ー森の喫茶店編ー2006/09/08 13:55

小笠原を出発する日,
荷物をクロネコヤマトの臨時受付所に預けた後,
のあさんから車を借りて,島内ドライブをしました。
途中,喉が渇いたので涼を求めて喫茶店を探したのですが,
通りすがりではなかなか見つかりません。
父島ガイドマップで「森の喫茶店」というのを発見し,
行ってみることにしました。

エコロジカルな喫茶店という謳い文句だったので,
「きっとエアコンは期待できんかもね。」
「窓全開で自然の風とか取り入れよっちゃろうね。」
などと話していました。

けっこう山の中に入っていってやっとたどり着くと,
おじちゃんが出てきました。
奥の方へどうぞと案内された先は・・・
え?・?・?・ここ?山の中?

そこは壁も屋根も床も何もありません。
ただ,丸太のベンチやテーブルがおいてあるだけ。
よく,登山道の途中に休憩するために
無造作に置いてあるようなやつです。

あんまり歩きたくなかったので,
一番近くの丸太に腰掛けてたら,
上の方が見晴らしがいいですよと,
更に歩かされ,お勧めの席へ案内されました。

そこは確かに二見港が一望でき,
見晴らしはいいのですが,
とても喫茶「店」とは呼べない場所です。
キャンプ場の野外炊さん場の
テーブルとベンチといった状態です。
ただ,親切なことに殺虫スプレーが置いてありました。

注文したジュースを置くと,
おじさんはものすごーく自慢げに,
「見晴らしがいいでしょう。あそこが二見港で,あれが兄島で・・・」
と観光ガイドのように説明を始めました。
更にはふたりの記念写真まで撮ってくれました。
頼んでもいないのに・・・。
見晴らしも記念写真も期待してたわけじゃないのに・・・。
ただ涼みたかっただけなのに・・・。
持ってきてくれたジュースはもともと薄い上に,
暑さのためにあっという間に氷も溶けて,
果汁1%くらいの味付け水になってしまいました。

登って降りるだけで逆に汗が出てきて,
こちらの思惑は完全にはずれてしまいました。

おじさんの話では,
父島のクチコミランキングで
昨年度人気ナンバー1を獲得したのだとか。
すごーく得意気に話していました。
とても信じられませんでしたが,
もし,ほんとなら,小笠原に来る人は,
よほど自然に飢えていて,
冷静な判断を失っているとしか思えません。

帰り際に看板を撮影してみました。
よく見ると「開店中」や「営業中」ではなく
あえて「開放中」になってるのに妙に納得。

まあ,ものは試しに話の種に
行ってみるのもいいとは思いますが,
けっしてお勧めはしません。

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小笠原の思い出 ー稚亀の放流編ー2006/09/07 20:02

かなりの間更新をさぼってしまいました。
もう夏も終わろうとしていますが,小笠原シリーズでひっぱります。

7月29日の夜8:00から宮之浜海岸で,
稚亀の放流があるというので行ってみました。
ウミガメの保護活動をしている
小笠原海洋センターの主催だそうです。
早めに行って待っていると,8時少し前に職員の方が
発泡スチロールのケースを2つ抱えてやってきました。
中からガサゴソと稚亀たちがはいまわる音が聞こえてきます。
海岸のまわりは民家はおろか街灯も一切なく真っ暗闇です。

稚亀の放流が夜に行われるのには理由があります。
卵からふ化した稚亀はしばらく砂の中で過ごした後,
夜になって砂浜の温度が下がった頃にはい出してきて,
大海原に向かって旅立つそうです。
できるだけ生まれたばかりの稚亀の行動パターンに合わせるため,
放流は夜に行われるのだそうです。
ちなみに,少しの間飼育した後に行われる,
「子亀」の放流は昼間に行われているみたいです。

また,放流にこの宮之浜海岸が利用されるのにも理由があります。
稚亀たちは海面のかすかな明るさを頼りに海に戻っていくので,
人工的な光がある海岸では,
帰る方向を間違える稚亀が出てきてしまうのです。
そこで大村海岸など街の光が強い海岸では,
産み落とされた卵を保護して人工的に孵化させ,
この宮之浜海岸で放流するのだそうです。

この日は月もなくほんとの闇夜。
夜空には満天の星が瞬いています。
さっきまでゴソゴソしていた稚亀たちは,
眠ってしまったのか急におとなしくなりました。
このまま放流してしまうと寝ぼけて帰れない子がいたりするので,
しばらく光を当てて刺激を与えて活発にします。
この時触らせてもらいましたが,
甲羅がまだ柔らかくぷにぷにです。
甲羅よりも頭や手足が大きく,とてもかわいらしい。
こんな体で大海原に旅立っていくとはなんと健気な。

いよいよ放流となると,全ての光を消し,
集まった人たちで花道をつくって
波打ち際から3mくらいのところで箱をひっくり返します。
砂の上を黒い物体がのそのそと海に向かって動いていきます。
月夜ならその姿をよく観察できたのでしょうが,
残念ながら真っ暗闇。
目が慣れる間もなく稚亀たちは,
みんな元気に海に泳いでいきました。

立派に成長しておとなになり,
再び父島に帰ってくるのは20〜30年後。
それもわずか0.3%の生存率だそうです。
がんばれ稚亀。

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おがさわら丸攻略法 その22006/08/16 11:04

おがさわら丸の搭乗が始まると,
指定席,団体客,2等の順に案内されます。
搭乗口で搭乗券の半券を渡し,
寝床を示す番号カードを受け取ります。
私たちはC-3の11番とC-1の1番のカードをもらいました。
C-1が今回レディースルームに振り分けられた船室です。

C-3は定員215名の船室で,6区画に区切られ,
ひとつのエリアに30〜40名分のスペースが用意されていました。
ひとり当たり,毛布2枚と枕ひとつが与えられ,
枕元に手書きの番号カードが置かれています。
隣同士との間隔はわずか20cmほどしかありません。
腕を広げることも難しく,
直立不動の姿勢で眠るしかありません。

私の11番の場所は真ん中のエリアのこれまた真ん中付近です。
船の真ん中が最も揺れが少ないことから,
番号は中央のエリアから割り振られているそうです。
1〜10までは,どこかのショップの団体客で,
船室にアルコール飲料がたっぷり入った
巨大なクーラーボックスを持ち込み,
早くも宴会体制に入っています。
とても近くにいられないので,
船内をうろうろしていました。

ちょうど出航の頃,
サービスカウンターの前で,
何やら紙切れを配っている方がいます。
Dデッキのスペースがかなり余っているので,
移動を希望する人へ新たに番号カードを配っているのでした。
番号カードを2枚もらってDデッキに行ってみると,
かなりスペースが空いていて,
元々の番号の位置や毛布の位置も適当に動かされていました。
私たちは,2人で3人分くらいのスペースと毛布を
悠々と確保することができました。
それでもまだスペースに余裕はあり,
Cデッキが90%の客の入りだとすると,
Dデッキは50〜60%程度でした。

頑張って確保したレディースルームも,
狭い部屋に20人ぐらい押し込められる上,
小さな子供連れや,船に弱そうな人が多いので,
あんまり環境がいいとも言えません。

結局ふたりともDデッキに移動して過ごすことにしました。

おがさわら丸攻略法 その2
寝床確保は出航直後の余りスペースをねらえ
サービスカウンター前で情報収集すべし

ただし,この方法はあくまでも乗客が少ないときの技なので,
繁忙期には使えないと思いますので,悪しからず。

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